天国まで1マイル

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【G1温故知新】1992年天皇賞・春2着 カミノクレッセ

【G1温故知新】1992年天皇賞・春2着 カミノクレッセ (スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース

 

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G1の過去の勝ち馬や惜しくも力及ばなかった馬、記録以上に記憶に残る馬たちを回顧し、今年のレースの注目馬や見どころを探る「G1温故知新」。第17回は1992年の天皇賞・春メジロマックイーンの2着入ったのを皮切りに、春の古馬G1を距離問わず3連戦し、全て2着と涙をのんだカミノクレッセ

 日本競馬史を語る上で欠かせない存在である種牡馬ノーザンテースト。同馬の血筋が最も存在感を発揮するG1と言えば、春の天皇賞ではないだろうか。昨年の覇者にして今年の“2強”の一角キタサンブラックも同馬の血を引いている。母父が「JRA史上最強のスプリンター」とも評されるサクラバクシンオーのため、当初は距離不安もささやかれていたが、同馬の母の全兄にアンバーシャダイがいるという点に着目すれば、中長距離での強さもうなずける。アンバーシャダイノーザンテースト直子にして1983年の春の天皇賞馬だ。

 アンバーシャダイ産駒で春の盾奪取に最も近づいた馬は、1992年の2着馬カミノクレッセだ。1987年生まれの彼は父の持ち味である成長力の豊かさを体現した競走馬だったが、大舞台においてことごとく勝ち運に恵まれなかった。栗東工藤嘉見厩舎の所属馬としてデビュー。脚部に不安があり、初めダート路線を歩むも順風満帆とはいかなかった。4歳春に橿原Sを勝ってオープン入りを果たすまで13戦と出世はスローだった。

 橿原Sでのパートナーは工藤厩舎ゆかりの南井克巳。南井とカミノクレッセはよほど手が合っていたのだろう。4歳夏に降級してまもなく出走した準オープン戦を南井の手腕で勝ち上がると、G3札幌記念でも3着と健闘。芝でも通用するところを示した。だが、陣営は慎重にレースを選び秋へと備えた。10月にはブリーダーズGCを大差勝ちするなど完全に本格化した彼は、満を持して秋の天皇賞に挑戦。前年の菊花賞、そしてこの年の天皇賞・春を制したメジロマックイーンプレクラスニーに6馬身差をつけて1位入線するも、進路妨害のため18着降着という混乱の中で3着に入った。

 このレース中に外傷を負い、放牧に入ったカミノクレッセ。復帰戦に選んだ翌92年1月の日経新春杯で他馬を圧倒して中央重賞初制覇を果たすと、3月の阪神大賞典メジロマックイーンと再戦したが、結果は5馬身差の2着。続く天皇賞・春でマックと3度目の対戦を迎えることになる。鞍上はこの1戦に限り、南井ではなく田島信行に乗り代わっていた。

 この年の春天と言えば、メジロマックイーンと前年の2冠馬トウカイテイオーの初対決で大いに盛り上がった。そのため、カミノクレッセは上位人気でありながらも“その他大勢”の1頭に過ぎなかった。マックの落鉄が原因で発走が8分遅れたが、終わってみればお構いなしの圧勝。そして2着は…テイオーではなく、荒れ気味の芝を味方につけたカミノクレッセ。マックへのリベンジは叶わなかったが、同期の意地を示す2着だった。

 春天以後、カミノクレッセ安田記念宝塚記念と連戦し、いずれも2着に食い込むという“離れ業”を演じる。今春の天皇賞において彼にイメージが近いのは、同じくアンバーシャダイの血を引くレインボーラインか。アーリントンC制覇、NHKマイルC3着など3歳春はマイル戦線を歩みながらも、秋には菊花賞に挑み2着に食い込んだ。ハマればアタマまで期待できる存在だけにレインボーラインには、「不器用な器用貧乏」たる立ち位置を脱してほしいものだ。

 カミノクレッセは2014年夏に死んだ。ノーザンテースト直系を盛り立てる存在にはなれなかったが、92年春の活躍ぶりはアンバーシャダイの血統の可能性を証明するのに十分だった。あれから25年が経過し、再びその血が存在感を示す日がやってくる。

(文中の馬齢表記は新表記で統一)

 

カミノクレッセ、懐かしい名前である。

1992年のカミノクレッセは神がかっていたのか、神から見放されていたのか判断が尽きずらいがG1三連続2着は十分なインパクトを残したと言えよう。

このような個性派の登場を待ち望んでいる。

 


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