天国まで1マイル

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【G1温故知新】1985年オークス9着 ユキノローズ

【G1温故知新】1985年オークス9着 ユキノローズ― スポニチ Sponichi Annex ギャンブル

 

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 G1の過去の勝ち馬や惜しくも力及ばなかった馬、記録以上に記憶に残る馬たちを回顧し、今年のレースの注目馬や見どころを探る「G1温故知新」。第20回は1985年のオークストライアル(現・フローラステークス)を逃げ切り本番にコマを進めたものの、ハイペースに巻き込まれて9着に沈んだユキノローズ


 今は昔となった1982年生まれの競走馬たち。この世代の牝馬はかなりメンツがそろっていた。筆頭が関東の快速馬エルプス。木藤隆行を背に逃げまくるその姿は、危うさと背中合わせの“華”を持ち合わせていた。好敵手であったタカラスチールダイナシュートを振り切った84年暮れのテレ東賞3歳牝馬Sは人気薄の勝利ではあったが、確かな可能性を感じさせた。翌85年春、関西に乗り込んだエルプスは、桜花賞TR(現・フィリーズR)を逃げ切る。そして本番の桜花賞でも雨の中、きっぷのいい逃げを披露して戴冠した。

 

 エルプスが制覇した桜花賞に別路線から参戦し、4着に入ったのがユキノローズである。その当時、南関東公営を中心に人気沸騰中だったミルジョージの娘だ。エルプスと同様に逃げ脚が持ち味であったが、ハナにこだわらなくても競馬ができるタイプ。ゴールデンウイークの最中に行われたオークスTR(東京芝1800メートル)でも主役の1頭として期待された。

 

 サクラクレアーにスタートダッシュの差でハナを奪われたが、デビュー戦以来手綱を取る郷原洋行は動じず、ユキノローズの行く気に任せた。するとスピードの違いでズンズン前へと進出し、向正面までに先頭に立ってしまう。終わってみれば3馬身差の快勝。1番人気のロイヤルコスマー(7位失格)らに力の違いを見せつける形となった。

 

 本番でもこの競馬ができればG1を獲れていたのだろうが、そこは快速馬がそろった世代。中2週で出走したオークスでは果敢に先行したものの、前半5Fが1分0秒5で上がり3Fが39秒8というこの時期の牝馬には過酷な流れに耐え切れず9着に沈んだ。エルプスは15着大敗。凱歌を上げたのは超人気薄のノアノハコブネ音無秀孝現調教師を背に、25頭をごぼう抜きにして第46代オークス馬の座に就いたのだった。

 

 オークス以降のユキノローズは大きく飛躍することもなく、86年の中山牝馬Sを勝ったのが目立つ程度であった。88年春の引退まで39戦をこなし、時折重賞でも上位をにぎわせたのだから“無事是名馬”と呼べるかも知れない。世代上位の実力馬ながらビッグタイトルに恵まれないまま競馬場を去った彼女が本領を発揮したのは、むしろ繁殖入り後のことだった。

 

 初子のグレイドショウリ南関東2冠馬になったほか、3頭の産駒が中央重賞で馬券に絡む活躍。また、孫世代からはきさらぎ賞関屋記念を制したレインボーペガサスが出た。昨年のすみれSを勝ちクラシック戦線に乗ったジョルジュサンクも彼女の孫に当たる。ユキノローズ自身と同期の牝馬で言えば、2頭のG1馬を産んだサクラクレアーや、アドマイヤマックスの母ダイナシュート、直子は不振も孫の代になってテイエムオーシャンが飛び出したエルプスも存在感を示しているが、“牝系の広がり“という意味ではそれらに負けずとも劣らない。

 

 今週末のオークスには、ユキノローズ最後の産駒サンタローズの娘が出走する。その名もハローユニコーン忘れな草賞を制した彼女は後方一気が身上だ。父はハーツクライ、母の父がパントレセレブルという配合は大舞台の主役を張るだけの底力に溢れ、鞍上の田辺裕信も今年は絶好調。地味ながらも血筋を後世に繋ぐユキノローズは2014年春に死んだが、府中の地でその名を競馬ファンに再認識させることはできるだろうか?

 

(文中のレース名表記は施行当時の表記で統一)

 

ユキノローズの名前は知らなくとも、ノアノハコブネの名前を聞いたことをある人は多いのではないか?

大穴であった

オークス史上最高単勝配当額(6270円)は現在も記録所持中

今年は荒れるのか?否か?

 


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