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逆襲狙うソウル×ルメール「東京イイネ」 騎手の本音が満載! オークス記者座談会

逆襲狙うソウル×ルメール「東京イイネ」騎手の本音が満載! オークス記者座談会 - スポーツナビ

 

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競馬専門紙優馬」トラックマン座談会

 今週は、3歳牝馬の頂上決戦、オークスが行われる。桜花賞の激闘から1か月余、二冠を狙うレーヌミノルに、GIで2着2回と涙を呑んできたリスグラシュー、そして桜花賞では1番人気の支持を集めたソウルスターリング。返り討ちか逆襲か、それとも新興勢力の台頭か、優馬TM(トラックマン)陣はいかなるジャッジを下すのか。

良馬場で巻き返す ソウルスターリング&アドマイヤミヤビ

デスク「ここは、過去10年でも馬券から消えたことのない桜花賞組が中心と考えていいと思うけど、8頭出走して4連対の“桜花賞勝ち馬”より、“桜花賞1番人気馬”の方が7頭出走して5連対と信頼できるんだよな」

 

武井「そのソウルスターリングは、3着という桜花賞の結果をどう見るかですが、フットワークの大きなこの馬にとっては走りにくい馬場状態だったと思います。対して今回は力を最大限に発揮できる馬場ですし、東京でも4走前に皐月賞2着馬を完封してますからね。阪神ジュべナイルFと同様に内枠を引けたことも追い風になるはずですよ」

 

久光桜花賞では、手前を替え替えして伸び切れなかったわけですが、僕は“道悪がダメ”というよりは“初めての馬場に戸惑った”ような走りで、それでいてコンマ1秒差3着という結果なら、評価を下げる必要もないでしょう。もし、同じ馬場状態でもう1回走ったら、勝てるのではないかとすら思えます。牝馬戦線の勢力図に大きな変化もないので、ここはソウルスターリングを信頼すべきですよ」

 

小野智「私もソウルスターリング桜花賞は力負けとは思えませんね。もともと輸送があまり得意ではないタイプで、暮れから3回目の阪神遠征も少なからず応えたと言えますが、東京なら本来の力を出せるはずです。追い切り後に“少し行きたがる気性だから、外じゃなくて中より内の枠が欲しい”と言っていたルメール騎手にも理想的な枠順でしょうし、“東京イイネ〜、リベンジ、リベンジ!”の言葉を信じますよ」

 

デスク「あとは、ほとんどの有力馬に言えることでもあるが、距離がどうかだな」

 

馬場「父の父がガリレオ、母の父がモンズーンという血統背景を考えれば、距離がこなせないどころか、むしろ距離が延びていい馬かもしれませんよ。陣営も“学習能力が高い馬で、レースでの経験や調教で教えたことを理解できているし、気持ちも穏やかになっているので距離はこなせていい”と。ポテンシャルの違いを示してくれるはずです」

 

デスク「一方で、桜花賞では1秒差の12着と惨敗したアドマイヤミヤビにもズラリと◎が並んだな」

 

田崎ソウルスターリングもそうかとは思いますが、それ以上にアドマイヤミヤビは馬場が応えて全く動けませんでしたね。もちろん、力負けでないことは火を見るより明らかですし、距離が延びていいハーツクライ産駒ですから、見直す手です」

 

桜井クイーンカップで完封したアエロリットがNHKマイルカップを制したことからも、アドマイヤミヤビに世代屈指の能力があるのは間違いのないところです。良馬場なら確実に巻き返せるはずですよ」

 

小桧山クイーンカップも優秀だったけど、2000mの百日草特別でカデナを抑えた内容も立派だったぞ。2戦2勝の東京で良馬場なら、今度は言い訳できないよな」

 

坂倉「2歳秋の時点で東京2000mの特別戦を勝ったあたり、陣営もオークスへの意識が高いと思いますね。敗因がハッキリしている桜花賞の着順は全く度外視できますよ」

 

守屋「僕はアドマイヤミヤビ桜花賞は道悪だけではなかったように思います。テン乗り、久々の右回りと全てが噛み合わず、3角過ぎにはムチが飛んでいたように、行きっぷりも悪過ぎました。ただ、一度レースでコンタクトを取ったデムーロ騎手が同じ轍を踏むとは思えませんね。この舞台なら外枠も不利にならず、馬群で揉まれず馬場のいいところを通れる強味もあるはずですよ」

 

須藤「ゴール前で死力を尽くしていた桜花賞上位馬に対し、全く走っていないアドマイヤミヤビには余力が残っていると思います。その余力が、東京の良馬場と距離延長で生きるのではないでしょうか」

 

那谷「ミルコにも改めて桜花賞の敗因を聞いたけど“返し馬の時は気にしてなかったのに、レースへ行くと馬場に脚を取られて全然進んで行かなかった。綺麗なフォームで走る馬だから敗因は馬場以外に考えられないよ”と。一週前の追い切りで跨いだ後には“動きも状態も凄くいいね。賢くてコントロールがしやすいし、大好きな馬で勝ちたい”と言ってたんだ。まだ勝っていないGIだけに、ミルコの“絶対に勝ちたい”という思いは強いと思うぞ」

 

広田「担当の島厩務員は、道悪以外にも“牝馬特有の難しい面が出てしまった”と敗因を語ってましたね。巻き返しへ向けては、安田助手も“2週続けてしっかりと負荷をかけてきたので、最終追いはこれで十分。きっちり態勢は整っています”と、状態面に関しての不安は陣営から聞こえてきませんよ」

 

デスク「で、アドマイヤミヤビに関しては、直ちゃんにシメてもらおうか」

 

佐藤直「言いたいことは、みんなも言ってくれてるんだけど、アドマイヤミヤビ桜花賞をよくよく見ると、直線半ばまではアエロリットあたりと一緒に伸びているんだよ。ただ、ミルコはここで追うのをヤメたよな。最後までビッシリ追えば着順はもう少し上がったと思うけど、勝負になるのはムリと判断した時点で消耗を避けたように感じたんだ。須藤も指摘していたように、余力を残してオークスへ。桜花賞の直線半ばで、その目標の切り替えが行われたと思うんだけどな」

 

良馬場でも府中2400でも レーヌミノルリスグラシュー

絶好の舞台で初タイトルを狙うリスグラシュー
絶好の舞台で初タイトルを狙うリスグラシュー【撮影:日刊ゲンダイ

デスク「ただ、桜花賞の1・2着馬は、暮れの阪神ジュべナイルでも3・2着と好走していた馬なんだし、馬場や他の有力馬の凡走に恵まれたってわけでもないよな」


瀬古桜花賞上位組は素直に強いと見ていいですが、距離が延びてどうかという観点では、リスグラシューが一番じゃないかと思います」


加茂リスグラシューは息の長い末脚が武器やから、そもそも桜花賞よりオークス向きのはずや。何より安定感も抜群で、GIで2着続きの鬱憤をここで晴らしてくれるやろ」


細川「さすがに桜花賞は期待していなかった、と言えばウソになりますが、デビュー当初から“最適の舞台はオークス”と陣営も話してたんですよ。2走前のチューリップ賞こそ案外の3着でしたが、メリハリを利かせて調整パターンを大幅に替えた桜花賞で結果を出したことで、今回も同じパターンに。東京への輸送も経験済みですし、牝馬の割には環境の変化にも動じないタイプのようで、間違いなく勝負になりますね」


中邑「◎が僕だけしかいないっていうのは全く意外なんですが、レーヌミノル桜花賞を勝って更にデキが良くなっている印象を受けます。差すレースが板に付いてきた今なら、距離も克服できると判断しました」


福田レーヌミノルについては、池添騎手にじっくりと話を聞いてきたでぇ。まず前走は“自分の中では完璧なレースができたと思っている。スピードタイプのイメージがあったけど、そんなところもなく、鞍上の指示に従うし、凄くレースが上手だった”と。問題の2400mについては“未知数だけど、道中の折り合いは全く問題ないと思う。できれば内目の枠が欲しかったけど、スタートの良い馬なのでポジションは取れるはず。鞍上の腕が問われる舞台だけど、馬の力を信頼して2冠を目指したい”と。周りがとやかく言うほど、距離に心配はしてない様子やったな」


デスク「距離が800mも違って全く異質のレースのはずなんだけど、終わって見れば桜花賞と同じ結果、というパターンもこれまで何度も見てきたよな」


中邑「えっ? もしや…」


デスク「安心しろ、俺の◎は違うから。あとは、桜花賞組に次いで馬券になるフローラS組だが、勝ち馬のモズカッチャンに◎はないんだよな」


加茂「前走は内を上手に立ち回ったとはいえ、序盤で不利があったことを考えれば、もうちょっと評価されてエエと思うけど。陣営も“古馬になると距離適性の差も出てくるが、今の段階なら2400mもこなせる”と。同じ内枠を引いて、上手に立ち回って、馬体を併せての追い比べになったら、前走の再現もアリやろ」


西田「私は、そのフローラSでは3着止まりだったフローレスマジックを狙います。前走は本番を見据えて良化の余地を残した仕上げだったもので、今までになく長目からハードに追われた最終追いからも、かなりの上積みが見込めます。そして、攻めた割にはテンションも上がっていないですし、調教でも我慢が利いているとのことで、距離にも不安はないでしょう。“チャレンジャーの立場です”と、陣営は慎重な構えですが、これまでも相手なりに好走してきた馬ですし、GIの舞台でも何かやってくれそうな予感がありますよ」


デスク「鞍上も当然、一発を狙ってるんじゃないか?」


小野智「最終追いに跨いだ戸崎圭騎手ですが“雰囲気は良かったですし、デキは前走以上”とは言うものの、“強い桜花賞組にどこまで迫れるか…”と、ニッシーほどの色気はない様子で…」

 

それでも私は 穴を狙います!

小島「僕はハローユニコーンで一発を狙ってます。目下2連勝中ですが、田辺騎手がこの馬の持ち味をフルに引き出している印象を受け、血統から距離延長も問題ありません。いい脚を長く使えるタイプなので東京コースも合いそうですし、そして何より、忘れな草賞勝ち馬の近年の活躍が目立っていることも見逃せませんよ」


加茂「その忘れな草賞は着差以上に強い内容でしたわ。短期放牧明けで馬体は少しフックラ映ったけど、鮫島師は“輸送でちょうどよくなりそうだし、体重自体は気にしない”と。決め手の生きる展開になれば…ってとこやろか」


大江原「俺はディアドラで勝負になると見ているぞ。兄のオデュッセウスは気難しい短距離馬だけど、父がハービンジャーに替わって気持ちをセーブできるタイプだから、東京2400mも合いそうだよな。確たる逃げ馬が不在でペースが読みにくいけど、緩急問わず折り合える点も魅力だよ。桜花賞が上がり最速でコンマ4秒差なら十分に逆転可能と思えるし、中一週のローテーでも余力を残して勝てたのなら割り引く必要はないだろ」


加茂「前走については橋田師も“少頭数で相手にも恵まれたので楽に勝つことができた”と振り返ってたけど“以前よりも落ち着きが出てムダに動かなくなったように、精神面での成長が窺える”とも。これも、流れが向けば…やね」


持木「僕は、アドマイヤミヤビ以上に“桜花賞では全く走っていない”ミスパンテールを。こちらは馬場が応えたことよりも、気性の若さがモロに出た感を受けましたね。久々で激走したチューリップ賞の反動も出たかもしれませんが、この中間は短期放牧でリフレッシュされていますし、初の東京コースも歓迎できる脚質ですからね」


小島「僕もミスパンテールは穴人気となっていた桜花賞から大きく評価を落とすのは危険だと思います。能力自体はチューリップ賞で証明済みですが、秘めているモノはもっとあるはずです」


福田「昆師は“2400mを乗り切る体力をつけるために、帰厩後はCウッド主体の追い切りで負荷をかけた。桜花賞は道悪に加えて外枠も応えたが、今回は欲しかった内枠も当たったし、心身ともにいい意味でリセットできたので、変わる手応えはある”と。穴ならコレやろな」


伊利「僕はもっと大穴狙いでレッドコルディスを。内を回った馬が上位を占めたフローラSで、4コーナーで外を回ったこの馬の掲示板確保は評価に値します。同じく外を回って差を詰めた9・10着馬が、クイーンCでレーヌミノルとコンマ1秒差だったハナレイムーンに次走で先着しているんですから、けっして夢物語ではないはずです」


デスク「あと、そこそこの穴人気になりそうなのに、名前の上がらない馬もいるが」


守屋「フローラSでは1番人気だったホウオウパフュームのことかと思いますが、奥村武師は“人気馬らしく、かかってこいという競馬では厳しかった。キャリアの浅さが出てしまったし、簡単に言えば力不足だった”と振り返ってましたね。“ただ、トライアルを使って本番というのは予定通りだし、使えるのがわかってからシッカリ負荷をかけて調整もできた。筋肉の張りが良く、トモの踏み込みも力強くなったので、確実に上積みはある”と、状態面について強調はしていたものの、前走の敗因が今イチわからないのも確かですから…」


目黒スイートピーS勝ちのブラックスビーチは、未勝利を勝ったばかりの身でのトライアル勝ちですが、レースのレベル自体に疑問が残りますね。陣営も“さらに距離が延びるので折り合い面は課題になりそう。3歳馬同士で他馬も経験がない条件なのでそんなに差はないと思うけど…”と慎重なジャッジでした。よほどの波乱が起きないと馬券圏内までは厳しいでしょうね」


須藤「あと、穴中の穴ということで、モーヴサファイアの名を上げさせてください。トビが大きくて、キレるというよりジリジリ伸びるので、デビューした頃からオークス向きだと思っていたんです。せっかく間に合ったんですから、押さえとして買わずにはいられませんよ」

 

ほぼほぼ全馬に対しての意見が出そろっている。

やはり、桜花賞戦前と違い、桜花賞でのソウルスターリングの敗戦と、距離延長が影響されているのであろう。

この中に、ファンディーナがいないのが残念であるが、このメンバーで明日牝馬世代最強馬が決定する。

 

 


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