【鳴尾記念】レース展望
【鳴尾記念】レース展望 (サンケイスポーツ) - Yahoo!ニュース
関西は京都から阪神に舞台が移り、土曜メインに鳴尾記念(6月3日、GIII、芝2000メートル)が行われる。施行時期が何度も変わり、暮れからこの時期に移って6年目。宝塚記念の前哨戦の位置付けになっており、過去5回の勝ち馬では一昨年にラブリーデイが宝塚記念を制覇している。
今年は12頭と登録が少ないが、好メンバーがそろった。スマートレイアー(栗東・大久保龍志厩舎、牝7歳)は今年に入ってから京都記念2着、ヴィクトリアマイル4着と衰えを感じさせない。切れ味が身上だった以前と違い、先行力が出た今の方がレース内容は安定。距離の融通も利くようになっている。前走が3カ月ぶりのレースだったので、上積みも十分見込めるところ。今回も大崩れはなさそうだ。
ジャパンCと宝塚記念で2着の実績があるデニムアンドルビー(栗東・角居勝彦厩舎、牝7歳)は、長期休養明けの昨年12月以降の3戦は精彩を欠いていたが、2走前の中山牝馬Sでは勝ったトーセンビクトリーから1馬身1/4差の5着と復調気配を見せた。続く前走のサンスポ杯阪神牝馬Sは12着に終わったが、マイルは明らかに距離不足。2000メートルなら見直せる。
牡馬は6歳勢が元気だ。スズカデヴィアス(栗東・橋田満厩舎)は今年、白富士Sを勝って金鯱賞で3着。続く大阪杯はさすがに相手が強く11着に敗れたが、GIIIなら上位が期待できる。昨年の金鯱賞以来となる横山典弘騎手とのコンビも魅力だ。
バンドワゴン(栗東・石坂正厩舎、牡6歳)は新馬戦とエリカ賞を連勝し、きさらぎ賞でも2着とクラシックの有力候補になった経緯がある馬。故障で長期休養を余儀なくされた影響がしばらく続いたが、前走の但馬Sを勝ってオープンに返り咲いた。半弟のスワーヴリチャードがダービーで2着と好走。兄も注目できる。好調なクリストフ・ルメール騎手とのコンビ継続も大いにプラスだろう。
この世代のダービーで3着だったマイネルフロスト(美浦・高木登厩舎、牡6歳)は前走の新潟大賞典2着と、久々に重賞で好走。ブリンカーの効果もあって、復調の兆しがうかがえた。毎日杯勝ち以来の阪神。最後まで集中して走れば、今回も好勝負が可能だろう。
ステイインシアトル(栗東・池江泰寿厩舎、牡6歳)は前走の福島民報杯で6着に敗れたが、勝ったマイネルミラノとの差は0秒4。昇級戦でハイペースの2番手という厳しい条件だったことを思えば、よく粘っている。全4勝が逃げ切り。今回は先手を取れそうなメンバー構成なので、マイペースで行ければ面白い存在だ。騎乗実績【3・2・0・1】の武豊騎手に手綱が戻る点も心強い。
ほかでは、近況不振ながら重賞3勝、ジャパンC2着などの実績があるラストインパクト(栗東・角居勝彦厩舎、牡7歳)にも注意が必要だろう。休み明けの平安Sは見せ場なく終わったが、久々をひと叩きして芝のGIII。実績を考えれば、上位争いを演じても不思議はない。
好メンバーとなった鳴尾記念。
ここを勝って宝塚記念に挑む陣営がほとんどであろう。
そんな中、好調ルメールジョッキーはバンドワゴン。
3歳時はクラシック候補として、大きな期待をかけられていた馬。
半弟のスワーヴリチャードがダービーで2着と血統的背景は織り込み済みであり、好調ルメールの手綱さばきに注目である。